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2010年5月11日火曜日

印刷物の色調不良

印刷物の仕上りで色校正と同じように印刷されていなかったり、色が思うように仕上ってこなかった事が、印刷会社にも発注者にもあるかと思います。

ここ数年、色を管理するソフトが充実し、大きくぶれる事はよほどの事がない限り無くなりました。

また、ジャパンカラーを導入しているクライアント・印刷会社も多く、どの印刷会社で印刷しても大差がない状況に色のコントロールができ始めています。

しかしながら、色調不良のクレームは少なくなったとはいえ、まだまだ沢山発生しています。

原因はいろいろありますが、代表的な例をあげてみますと、
①色校正を平台校正機で刷っている。
②本機校正をしているが、面付け仕様が違っている。
③オペレーターのスキル。

そのほかにもドットゲイン・トーンカーブ・ドライダウン等ありますが、本機校正をしている限り、発生することは稀です。


①色校正を平台校正機で刷っている。この場合の原因は、
平台校正機と枚葉(平台)印刷機では印刷方式が違います。
平台校正機は、紙を台に固定し、その上をユニット(版・ブランケット・インキ壷・インキローラー)が低速回転しながら転写します。
枚葉(平台)印刷機はユニット(版・ブランケット・インキ壷・インキローラー)が固定されており、紙がユニット間を移動します。

平台校正機は機械の仕様上、インキが自由に盛れます。
盛るとは、インキ量を多くして印刷できるということになります。
枚葉(平台)印刷機は仕様上、インキの盛りが平台校正より盛れません。

平台校正機は1時間に約200枚から300枚の印刷ができます。
枚葉(平台)印刷機は印刷物の内容によりますが、1時間に7,000枚から12,000枚印刷できます。
印刷速度が違うため、平台校正機のインキは粘性が柔らかく、枚葉(平台)印刷機の場合は粘性が固くなっています。さらにオフ輪の場合は1分間に650枚から800枚印刷できるので、さらにインキの粘性が固くなっています。

さらにドットゲイン・トーンカーブの設定・ドライダウンの違いが出る為、平台校正機で刷った校正刷りと、枚葉(平台)印刷機で刷った本刷りでは、差が出てしまいます。


②本機校正をしているが、面付け仕様が違っている。この場合の原因は、
本刷りの場合、製本仕様や無駄取をなくすために、ある程度いっぱいいっぱいまで、絵柄を付けます(下記絵柄参照)

面付け.jpg

本機校正での正しい面付け。

絵柄同方向面付け.jpg

絵柄方向・インキ壷位置も同じ。

絵柄同方向面付け2.jpg

絵柄方向が同じ。

当然ながら、絵柄方向・インキ壷も同じであれば、本機校正と本刷りの再現性はかなり高くなります。

間違った面付け位置。

絵柄位置が違う面付け.jpg

絵柄の方向が違います。
これでは、せっかく本機校正をしても、本刷りでの再現性は低くなります。

校正刷りの場合は朱書きを書きこむため、どうしても余白が必要になります。

しかし、本刷りと本機校正で絵柄方向を逆にしてしまうと、ゴーストの発見ができない場合や、再現性がどうしても悪くなってしまいます。余白の付け方には工夫が必要になります。

③オペレーターのスキル。
こればかりは、社内での教育の問題になります。
オペレーターには長・短問わず経験があり、経験則を基に判断して印刷します。

「このクライアントはこれくらいは許容範囲だ。」
「チラシだからこれくらいでいいだろう。」
「夜勤で上長が居ないから、これで刷っちゃえ。」
「ドライダウンが予想できなかったよ~。」

等など、機長の経験則で判断される場合です。

オペレーターのスキルは各会社での教育になります。
始末書・顛末書・報告書等で「教育をします」「周知徹底します」「徹底します」等の文言が出てしまう書類・文書を出す印刷会社は、いままで教育をしていなかった事を自ら宣言している事になります。

そして本当に教育しているのか、同じ色調不良が再発しないのかという疑問が残ります。

「教育をします」「周知徹底します」「徹底します」は根本的な解決にはなりません。

機長がそれらの判断をしてしまった根本的な原因はどこにあるのかが見えないからです。
逆にいえば、「社風」がそのような判断を生む土壌になっているのではないかと、私は思ってしまいます。

オペレーターの評価はシビアな評価が必要になります。

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印刷は印刷機が変われば、同じデータで作成しても色の再現性が異なってしまう場合が多く、デリケートな工業品と言えます。

発注側が最初にどのレベルのクオリティを求めているのか明確にすべき事項なのかもしれません。

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